心に届く言葉-西田敏行さん

妻と子供の手を引いて逃げたけれど
あっという間に津波が来て
妻と子供は波に連れて行かれてしまった
被災された男性が、向けられたマイクにそう語っていました。
私にはその方の声や表情を今も忘れることができません。
もしその男性が、私だったら。
とても生きてはいけないと思いました。
それ以降、「がんばろう」という言葉が嫌いになりました。
私は、がんばることが大好きだし、がんばる人も大好き。
がんばる、という言葉も大好きでした。
でも今は、その言葉を聞くと
胸の中に鉛が重く沈むような気持ちになります。
まだ、我が子が見つからない母親、父親もいる。
両親を亡くした子も。子や孫を亡くした人もいる。
家も、思い出も、家族も、友人も、すべて失った人もいる。
そんな人が、どうして、がんばれるだろう。
どうして、そんな人に、がんばれと言えるだろう。
ずっとそう思い続けていました。ずっと。
そして今朝。
NHKの番組で西田敏行さんがこうおっしゃっていました。
あなたは一人じゃない
縁者が一人もいなくなってしまったとしても
あなたは一人じゃない
誰かがあなたを見つめています
心に届く言葉だと思いました。
なにもしなくていいと思います。
泣いて過ごしていいと思います。
ただ、今日一日、生きてください。
生きてくださいね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です