怒りへの対処法を知っていても、
どうしても怒りに飲み込まれてしまうことがあります。
怒りを感じたできごとが、頭の中を占有してしまう。
気がつくと、そのことばかり考えてしまう。
頭に浮かんだ考えはどんどんエスカレートし、
思考はますます歯止めが効かなくなる。
相手は実際よりも悪辣で救いようがなく、
自分の正しさは、時間の経過と共に際立っていく。
相手を制裁したい、責めたい、謝罪を引き出したい。
そんな気持ちが強くなるにつれて、
心から血が噴き出すような痛みを感じることがあります。
怒りの感情は、周りだけでなく、自分の心も傷つけるのですよね。
私たちは生きていくうえで、
自分では決められないこと、変えられないこと、
自分の力ではコントロールできないことがあります。
怒りに苛まれた時、私は、それを思い出すようにしています。
他人は変えられません。
変わってほしいとお願いすることはできても、
人の考え方や行動を変えることはできません。
大切なことは、変えられない前提で、自分にできることは何か、
それをロジックで考えて、一つ一つ、取り組んでいくこと。
私たちは、変えられないことを力づくで変えようとして、
怒りを強くさせてしまうことがあります。
変えられること、変えられないこと。
それを見極める力を経験を通して培っていくことが、とても大切です。