6秒で怒りは消えない

時々、「6秒なんかで怒りが消えるか!」とご立腹されている方をお見かけすることがあります。まったくおっしゃる通りで、6秒で怒りは消えません。6秒で理性が働き始めるのです。

怒りは動物が身を守ろうとする時に生まれる防衛感情で、詳細は省きますが脳の「扁桃体」という部位が関係しています。敵を認識すると0.25秒で扁桃体が働き、アドレナリンが分泌されるなどします。怒りは一瞬で生まれます。

一方、「理性」を司っているのは脳の「前頭葉」という部位で、働き始めるまで3~5秒程度かかることがわかっています。ですから長くても6秒程度待てば「理性的」になれる、というわけです。

え? 6秒過ぎても理性的になれない?
理由は簡単。アンガーマネジメントをしていないからです。

たとえば、レジで前の人が会計が遅い。イライラ。そんな時。「遅いなあ。会計の前にお財布を用意しておけば良いのに。早くしてくれないかなあ」と、頭に浮かぶ言葉がさらなる怒りを呼び、怒りはますます強くなります。

でも、アンガーマネジメントのテクニックを使えば、「遅いなあ。よし、100から3ずつ引いてみよう。100, 97, 94, 91, 88.. あ、自分の番だ」とイライラを「募らせる」ことなくやり過ごすことができます。ちなみにこのテクニックを「カウントバック」と言います。

ただし、これは、怒らないためのテクニックではありません。怒りに任せて取り返しのつかないこと、最悪の事態を防ぐためのテクニックです。

理性は、人間が持つ特性です。
怒っておくか、怒らずにおくか。
命に関わる切迫した状況でないのなら、
6秒待ってから決めても、良いのではないでしょうか。

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