怒って良い。問題はその表現方法。

第94回アカデミー賞授賞式で、ウィル・スミスさんが、プレゼンターのクリス・ロックさんを平手打ちしました。

平手打ちをした理由は、妻の病気による外見を揶揄されたこと、と聞いています。であるなら、いきなり殴るのではなく、断固とした口調、一歩も引かない姿勢で、「妻はとても傷ついている。妻の病気や外見をジョークにしないでほしい」と抗議すれば良かったのではないかと思います。

今、話題の中心は「殴ったことの是非」になっています。ウィル・スミスさんが強く訴えたかったはずの「病気や外見をジョークにして良いのか」については、アメリカ国内ではほとんど話題になっていません。この状況は、ウィル・スミスさんの本意ではなかったはずです。

ふと、北京五輪スノーボードで理不尽な採点をされながら、その怒りを金メダルにつながる素晴らしい演技に昇華させた平野歩選手を思い出しました。

怒りは感じても良いのです。怒ることは悪いことではありません。感じた強い怒りをどう表現するか。問題は、表現方法なのです。

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