要塞の鍵

ある集まりで、最近の出来事について話した時のことです。
話を終えて最後に「ちょっと傷つきました」と笑いながら言うと、
ある方から、こう言われました。

「傷つかなくていいんですよ。悪いのは相手なんだから。
相手が悪いのに、自分が傷つく必要はないんです。」

言葉が、心の奥のずっとずっと深いところに向かって、
静かに沈みゆく(進みゆく)ように感じました。

その言葉は、鍵のようにも感じました。
でも、一体、何の鍵なのか。

数日、考えて、ふと気づきました。

私の心の周りには、堅牢な要塞があるのです。
そして銃口が、常に壁の外側に向けられているのです。
決して自分が傷つかないように。

…でも、その要塞は、本当に必要だったのかしら?

手の中にある鍵を見つめながら、
私は今、自分にそう問いかけています。

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